車庫証明申請

許認可申請

自動車取得の際に必要となるのが車庫証明書です。ディーラーや販売店で自動車を取得した場合は、車庫証明書申請の手続きを意識したことが、あまりないと思います。ディーラーや販売店の担当の方の説明にしたがって進めていると、いつのまにか手続きが終わっていたのではないでしょうか。

ところが知人から自動車を取得した、ネットオークションで自動車を手に入れたなどの場合には、自分で車庫証明申請を行うか、申請代行をしてもらうことが必要です。「自動車の保管場所の確保等に関する法律」という法律で定められていますので、きちんと手続きをしておかなければなりません。

では車庫証明書を取得するには、どのように進めていけばよいかを見ていきましょう。

車庫証明書の取得

車庫証明は正式な名称ではありません。正しくは「自動車保管場所証明」といいます。自動車の所有者には、自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないことが義務づけられています。

自動車の保管場所の確保等に関する法律
(目的)
第1条 この法律は、自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づけるとともに、自動車の駐車に関する規制を強化することにより、道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを目的とする。
自動車の保管場所の確保等に関する法律
(保管場所の確保)
第3条 自動車の保有者は、道路上の場所以外の場所において、当該自動車の保管場所(中略)を確保しなければならない。

車庫証明の申請が必要となる場合

車庫証明の申請が必要となるのは、次の場合です。

新規登録
  • 自動車を新しく購入した場合
移転登録
  • 自動車の所有者を変更した場合
    ・同居している親族から譲り受けたなどで、自動車の保管場所に変更がない場合は、申請の必要はない。
変更登録
  • 引っ越しなど自動車を保管する場所に、変更があった場合
    ・15日以内に変更後の場所の管轄警察署に届け出が必要。
自動車の保管場所の確保等に関する法律
(罰則)
第十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
 第九条第一項の規定による公安委員会の命令に違反した者
 第十一条第一項の規定に違反して道路上の場所を使用した者
 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
 自動車の保管場所に関する虚偽の書面を提出し、又は警察署長に自動車の保管場所に関する虚偽の通知を行わせて、第四条第一項の規定による処分を受けた者
 第十一条第二項の規定に違反した者
 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
 第五条、第七条第一項(第十三条第四項において準用する場合を含む。)又は第十三条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 第九条第六項の規定に違反した者
 第十二条の規定による報告をせず、若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者

罰金が課される場合をまとめると、次のようになります。

罰金が課される場合
  • 車庫証明の申請をせずに道路上にとめていた場合
  • 虚偽の申請をした場合
  • 引っ越しなどで保管場所を変更したのに変更の申請をしていない場合

車庫証明が不要な地域

ですが、車庫証明をとる必要がない地域もあります。車庫証明が不要な地域は くるなび で、検索することができます。茨城県内の車庫証明が不要な地域については こちら を参照してください。

車庫証明手続きの流れ

車庫証明の取得は、次の手順で進めていきます。

車庫証明手続きの流れ
  1. 必要な書類の入手と準備
  2. 所在地を管轄する警察署での申請
  3. 申請に必要な手数料の納付
  4. 車庫証明書の受領

この手順にしたがって必要な事柄や注意する事柄をみていきましょう。

手続きに必要となる書類

手続きに必要となる書類は、以下の書類です。必要となる書面については管轄となる警察署のホームページから入手することができます。

手続きに必要となる書類
① 自動車保管場所証明書申請書
② 保管場所標章交付申請書
③-A 保管場所使用承諾証明書(保管場所が他人の所有の場合:月極駐車場、アパートの駐車場など)
③-B 保管場所使用権原疎明書面(自認書 保管場所が自己所有の場合)
③-C 保管場所が共有地(土地が夫婦の共同所有、親と自分の共同所有の場合)は、
   ③-A・③-Bの両方の書類が必要
④ 保管場所の所在図・配置図

では、次に書類の書き方について見ていきましょう。表示している書類は茨城県のものです。都道府県により少し異なりますので気をつけてください。

自動車保管場所証明書申請書

「自動車保管場所証明書申請書」は下図のような書類です。管轄の警察署のホームページからダウンロードすることができます。茨城県警の場合は PDF・WORD・EXCEL・一太郎 のファイルをダウンロードすることができます。ダウンロードする際に記載例も一緒に入手しておくと参考になります。

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申請書の提出先となる管轄の警察署がわからない場合は くるなび のページが便利です。所有者の住所地の管轄ではなく、保管場所を管轄する警察署の検索が必要ですので注意してください。

それでは申請書の順序に従って、記入の仕方を確認していきましょう。なお記載にあたっては、黒のペンまたはボールペンを使用します。消せるボールペンは使用できません。

また数字の 0 と英字の O 、数字の 1 と英字の I 、数字の 2 と英字の Z 、数字の 8 と英字の B 、数字の 9 と英字の P 、英字の V と英字の U などの紛らわしい文字は、はっきりと区別がつくように記載することが必要です。

車名・型式・車台番号・自動車の大きさ

これらの欄は、自動車検査証(車検証)で確認して記入します。新車の場合には、ディーラーや販売店で確認してください。もっとも新車を購入する場合は、自分で手続きをすることはほとんどないと思います。

「車名」の欄には、プリウス(PRIUS) や ノート(NOTE) といった車の名称を書くのではなく、トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・三菱といった製造会社名を記入します。

同じく「型式」や「車台番号」も自動車検査証で確認して記入します。申請時に車台番号が確定していない場合は空欄での提出となります。

「自動車の大きさ」の単位はセンチメートルです。ミリメートル単位以下は切り捨てて記入します。

自動車の使用の本拠の位置

個人の場合には、通常は住民票の住所と同じ場所となります。住民票の記載と同じように記入します。ハイフンを使わずに正式な住所を記入しておきましょう。住民票があっても、その場所に居住していない場合には、実際に居住している場所を記入します。通常勤務先は、個人の使用の本拠とはなりませんので注意してください。

法人の場合には、実際に営業を行っている事業所の所在地を記入します。本社が社用車を購入して、本社で使用する場合は、本社の住所を記入します。本社ではなく、支社が社用車を使用する場合は支社の住所を記入します。

自動車の保管場所の位置

個人の場合で、自宅が保管場所になる場合は「自動車の使用の本拠の位置」と同じになります。ただし「同上」や「〃」は避けてください。月極駐車場など駐車場を借りている場合には、駐車場の所在地を書きます。通常は住所表示となりますが、駐車場の所在地に住所表示がない場合は、地番を記入します。

「自動車の使用の本拠の位置」と「自動車の保管場所の位置」は、直線距離で2km以内であることが必要です。この直線距離は、あとで出てくる「所在図」に記入します。

保管場所標章番号

「自動車の使用の本拠の位置」と「自動車の保管場所の位置」が同じで自動車だけを買い替えるときには、この欄の記入が必要になります。旧車の自動車標章番号を記入します。自動車標章番号が不明の場合は空欄にしておきます。

申請者欄

日付は記入日ではなく提出日を記入します。提出当日に記入した方が確実でしょう。

「警察署長 殿」の前の部分に、自動車の保管場所を管轄する警察署名を記入します。「〇〇〇警察署長 殿」となります。

申請者欄は、ご自身に関して記入します。自動車の所有者、使用者となる方です。住所は「自動車の本拠の位置」と同様に、住民票通りの住所を記入します。法人の場合は、登記簿謄本や印鑑登録証明書の住所や法人名、代表者の肩書と代表者名を正しく記入します。都道府県によっては、氏名のフリガナや電話番号を記入する場合もありますので、もれなく記入してください。

欄外の記入

欄外の記入項目は、都道府県によって異なっています。

「所有区分」は 自己所有・他人所有(月極駐車場やアパートの場合などの場合)・共同所有(夫婦での共有・親子での共有などの場合)に〇印をつけます。

「申請者登録番号」欄は、わかっている場合のみ記入します。「代替車登録番号・旧自動車登録番号・前車登録番号」欄は、入れ替え前の自動車の登録番号を記入します。同じく「代替車車台番号・旧自動車車台番号・前者車台番号」欄は、入れ替え前の自動車の車台番号を記入します。

「連絡先」欄は、自分で申請する場合は、自分の住所・氏名・電話番号を記入します。申請内容がわかる人を記載しますので、行政書士が代理する場合は、行政書士について記入することになります。

保管場所標章交付申請書

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ダウンロードではなく、直接、警察署で用紙を入手した場合には、「自動車保管場所証明書申請書」と「保管場所標章交付申請書」は2枚綴りの複写になっています。ですので「保管場所標章交付申請書」に記入する事柄は、上記の「自動車保管場所証明書申請書」と同じ内容ということになります。ダウンロードした場合には、もう一度同じ内容を入力することになります。

保管場所使用承諾証明書・保管場所使用権原疎明書面

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茨城県の場合には「保管場所使用承諾証明書」と「保管場所使用権原疎明書面」とが兼用となっています。他の都道府県では、それぞれ別の様式の場合が多いです。申請者の都道府県に応じてダウンロードしてください。

「保管場所使用承諾証明書」は保管場所が月極駐車場やアパートの駐車場など他人の所有である場合に使用します。管理会社や不動産会社で証明書を作成してもらえますので、確認してみてください。手数料がかかる場合もありますので、あわせて確認してください。

「保管場所使用権原疎明書面」は「自認書」と呼ばれるように、自己所有の土地の場合に使用します。

保管場所が共有地の場合には「保管場所使用承諾証明書」と「保管場所使用権原疎明書面」の両方の提出が必要となります。都道府県によって共有地の場合の提出書類が異なるようですので、管轄の警察署に確認しておきましょう。

保管場所の所在図・配置図

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「所在図」は保管場所の地図です。別添が可能ですので、インターネットから保管場所付近の地図を入手して貼付するか、別添とすること簡単に作成できます。地図に駅や役所、病院、学校など目印となる建物が入るようにします。また月極駐車場や駐車場を借りている場合には自宅と駐車場を直線で結び、直線距離を記入します。直線線距離はネット上で確認することができます。

「配置図」は自宅内に保管場所がある場合には、その位置を記入します。建物と保管場所との位置関係や道路との位置関係がわかるように記入します。道路幅の記入も忘れないようにしましょう。

月極駐車場やアパートの駐車場の場合は、保管場所となる駐車場と道路との関係がわかるように記入します。道路の幅や道路から駐車場への入り口の幅も記入が必要です。また自動車がどの場所に駐車することになるか駐車場所の番号なども記入しておきましょう。10台程度であれば記入することもできますが、保管場所となる駐車場が非常に広く駐車台数も多い場合もあります。駐車場が広い場合の記入方法については、管轄の警察署に事前に相談してみることをお薦めします。

車庫証明申請書の提出

必要書類の確認

必要な書類がそろったら、いよいよ管轄の警察署に提出です。その前に必要とされる書類が全部そろっているかどうかを警察署に確認しましょう。警察署ごとに必要書類が異なっている場合がありますので注意が必要です。上でも書きましたが、代表的なものとして「使用の本拠を証する書面」の提出が必要な場合があります。公共料金の領収書、郵便物、運転免許証などが証明書として利用できることが多いですが、細かなことは確認してみないとわかりません。提出に行く前に、警察署に問い合わせておきましょう。

提出の予約

管轄の警察署で車庫証明書を取り扱うのは、交通課であることが多いでしょう。ただし担当の方がたくさんいるわけではありません。事前に担当の方に電話を入れ、日時を予約しておいた方が無難でしょう。予約したからといって、時間通りに対応していただけるとは限りません。警察ですから事件・事故があれば、何をおいても即、対応することが求められます。その場合には、時間をおいて出直したり、別の日に予約を取り直すことも必要になります。

窓口の開いている時間の確認も必要です。土曜日や日曜日、祭日には窓口は開いていません。

茨城県の場合は、
月曜日から金曜日(祝日、年末年始を除く。)
午前8時30分から午後5時15分まで(8時30分から12時00分、13時00分から16時30分までの申請にご協力をお願いいたします。)
となっています。

管轄の警察署のホームページなどで開いている時間を調べておきましょう。

手数料の納付

車庫証明書の交付には手数料の納付が必要です。都道府県によって多少の違いはあるようですが、おおむね2,000円程度です。金額や納入方法をホームページなどで確認しておきましょう。

手数料
  • 茨城県の場合は、2,600円(茨城県収入証紙を購入してください。)
    保管場所証明代2,100円、標章交付代500円

収入印紙ではなく、収入証紙で収めることが必要です。あまりなじみがありませんが、たいていは警察署内の交通安全協会で手に入ります。都道府県によっては収入証紙が廃止になっていて、納入方法がかわっている場合がありますので注意してください。

あとは交付を待つだけ

以上の手続きが完了すると「納入通知書兼領収書」をもらえます。車庫証明書を受け取る際に必要になりますので、紛失しないようにしてください。

たいがい車庫証明書の交付までは、3~7日程度を要するようです。

車庫証明書の交付

提出した後に、もう一度、管轄の警察署に出向くことが必要です。車庫証明書の受け取りです。次の3種類が交付されます。

証明書の交付
① 自動車保管証明書
  自動車の登録に必要となる書類。一般的には販売店経由で運輸支局へ提出することになる。
② 保管場所標章番号通知書
  車検証と一緒に保管しておく。
③ 保管場所標章
  自動車のリアガラスに貼るステッカー。

ご相談ください

車庫証明の取得方法は、なんとなく理解できたがやっぱり自分一人では不安だ、申請書はかけそうだけど警察署に行く時間がとれないなどの場合は、当事務所にご相談ください。車庫証明書取得のお手伝いをいたします。

茨城県で車庫証明が不要な地域

以下に くるなび で検索した茨城県の場合を掲載しておきます。

市町村の全域で車庫証明が不要
  • 稲敷郡美浦村
市町村の一部の地域で車庫証明が不要
県北地域
  • 常陸太田市
    • 大菅町、大中町、折橋町、上深荻町、上高倉町、河内西町、国安町、天下野町、小菅町、小妻町、小中町、里川町、下高倉町、棚谷町、東連地町、徳田町、中染町、西染町、東染町、町田町、松平町、和久町、和田町 (旧久慈郡 里美村、水府村の地域が不要)
  • 常陸大宮市
    • 秋田、入本郷、大岩、小瀬沢、小田野、小玉、門井、金井、上伊勢畑、上小瀬、上檜沢、国長、小舟、下伊勢畑、下小瀬、下檜沢、千田、高部、鷲子、那賀、中居、長倉、野口、野口平、野田、桧山、氷之沢、松之草、油河内、吉丸 (旧東茨城郡 御前山村、那珂郡 美和村、緒川村の地域が不要)
県央地域
  • 小美玉市
    • 上玉里、川中子、栗又四ケ、下玉里、高崎、田木谷、東田中 (旧新治郡 玉里村の地域が不要)
  • 東茨城郡城里町
    • 粟、岩船、大網、小勝、上赤沢、上圷、北方、真端、塩子、下赤沢、下圷、錫高野、高久、高根台、高根、徳蔵、孫根 (旧東茨城郡 桂村、西茨城郡 七会村の地域が不要)
県南地域
  • 稲敷市
    • 阿波、甘田、飯出、浮島、岡飯出、柏木、柏木古渡、上馬渡、四箇、下馬渡、神宮寺、須賀津、羽生、古渡、堀之内、三次、南山来 (旧稲敷郡 桜川村の地域が不要)
県西地域
  • 下妻市
    • 伊古立、大園木、長萱、鎌庭、唐崎、鬼怒、鯨、五箇、渋田、下栗、宗道、田下、羽子、原、別府、本宗道、見田、皆葉、村岡 (旧結城郡 千代川村の地域が不要)
  • 桜川市
    • 青木、阿部田、大国玉、大曽根、金敷、高久、高森、羽田、東飯田、本木 (旧真壁郡 大和村の地域が不要)
鹿行地域
  • 鉾田市
    • 青山、阿玉、荒地、飯島、江川、大蔵、梶山、柏熊新田、勝下、勝下新田、上太田、上釜、上沢、上幡木、汲上、子生、沢尻、鹿田、下太田、台濁沢、滝浜、田崎、玉田、造谷、常磐、中居、冷水、札、二重作、箕輪、樅山、湯坪 (旧鹿島郡 旭村、大洋村の地域が不要)